学校に到着し、事務室に声をかけると、すぐに生徒指導室に案内されました。
生徒指導室には、小さな机一つと椅子が4脚。
そのうちの一つに長男がちょこんと座っていました。
「学年主任の◯◯です。本日はお仕事でお忙しいところ、わざわざお越しくださり、ありがとうございました。」
学年主任の先生がやってきて、丁寧に挨拶されました。
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息子は、ちょっとバツが悪そうに私を見上げました。
「お母さん、仕事が大変なのに、あなたのためにきてくれたんやな。感謝やな。」
先生は、ゆっくりと、優しく、息子に話しかけました。
息子は
「うん。」
と大きく頷きました。
私が席につくと、先生はこれまでの経緯を、ゆっくりと話しはじめました。
「……と、こういう経緯でして……本人の話によると、いつもは歩きスマホをしないけど、今回は友達と話していて、その話題についてスマホで見せようとしたら、そこを生徒指導の先生に見つかって、指導が入った……ということでした。まあ、彼の話が本当でも、ちょっと時期が悪いといいますか……今は、毎朝教員が通学路や校門前に立って、指導している時分なので……規定に従って、今回来ていただいたというわけです。
で、これも規定なんですが、お母さんを待つ間に、本人は反省文を書いていますので、そちらに確認の署名をお願いします。」
反省文を読むと、
僕は、歩きスマホをしていて悪いと思っています。
もう二度としません。
と書かれていました。
私は反省文を眺めながら、
「まあ、でも今度の期末の結果次第で、もう二度とスマホ使えなくなるかもだしね。」
と、息子に話しかけました。
彼は
「あー、その事は先生には言っていないから、今、言っちゃダメ。」
とちょっと小さな声で返してきました。