2024年のアメリカ大統領選挙。
一時期はハリス氏優勢と言われていましたが、その後も色々なイベントがあり、最終的に蓋をあければ、トランプ氏の圧勝でした。
私が以前勤めていたアメリカのラボのメンバーは、皆、口を揃えて「絶対ハリスに入れる!」と言っていましたが、一方で、大学以外の知人友人の中には、「トランプに投票する。」と言っている人もいました。
その中の一人は、今もオンラインで聖書と英語を教えてくれている、G氏。
彼は携挙を信じ、布教活動に人生を捧げている、敬虔なクリスチャンです。
信じる者はトランプ政権に希望を託す
彼の話によると、現在、アメリカではキリスト教を信仰しない人たちが増えており、LGBTQの権利を主張しすぎているとのこと。
そして、聖書に則ってLGBTQを認められない自分たちに対して、「逆差別」が生じている、と言っていました。
「今の世の中は、『LGBTQを認めたくない』と言えない雰囲気になっていて、教会はどんどん縮小されている。このままでは、教会もアメリカもだめになってしまう。トランプは教会の味方だから、必ず彼に当選してもらいたい。教会のために、神もトランプを選ぶと信じている。僕も妻も、彼に投票するよ。」
これは、前回の大統領選(バイデン氏 VS トランプ氏)でG氏が話していた言葉。
このときは結局バイデン氏が勝ち、その後の連邦議会議事堂襲撃、というなんとも残念な事件が起こりました。
色々迷っても⋯⋯それでもやっぱりトランプ氏に
その後、イスラエルのガザへの侵攻があり、私はそれについて、G氏と何度か話をしました。
G氏ははじめ、「イスラエルはもともと神がユダヤ人達に与えた土地であり、それを取り戻すために戦うよう、聖書にも書かれている。アメリカはそれを支持しなければならない。」と言っていました。
その後、ガザ地区で子供達を含めた多くの人々が命を落としている現場が次々と報道され、G氏も心を痛めていました。
彼は、「神がどのような意図でこの状況を選んでいるのか、自分を納得させる理由がまだ見つけられない。けれども、神には必ず考えがあるはずだ」と言いました。
トランプ氏はもともとイスラエルを強く支持しており、トランプ政権になれば、イスラエルの侵攻をさらにサポートすることになるかもしれません。
今回の選挙の数日前、G氏は言いました。
「以前と違って、トランプは個人的に好きになれない。けれども、教会のためには、やはりトランプに投票するしかない。」
それぞれ、色々な考えがある
他に、トランプ氏に酔狂する人たちと話をする機会もありましたが、中には
「テレビの報道はフェイクニュースばかりしている。私はもうテレビのニュースは信じない!トランプだけが真実を話している!」
と言っていた人もおり、「この人とはあまり議論ができないな」と感じました。
けれどもG氏の場合は、私の質問や意見 ―場合によっては彼の信念を否定しかねないような内容― に対しても、否定せずに受け入れ、その上で自分の意見を返してくれています。
クリスチャンでない私は、彼の意見に同調できないことも多いですが、これまでの彼の考え方や発言については、「信仰」という基軸をもとに、筋が通っていると感じています。
今回、私はハリス氏に当選してもらいたいと強く願っていましたが、
――「トランプ氏に当選してほしい」と考えて投票した人たちも、それぞれの一票に様々な思いを込めているんだろうな。
と、思いました。