ある日の早朝、次男(4歳)と手をつなぎ、デイケアまでの道を歩いていた時の事。
私は頭の中で、
「今日は〇〇時からミーティングがあるから、それまでに✖✖を終わらせて……」
と、一日のスケジューリングをしていました。
と、ふいに次男の足が止まり、私の手を引きました。
「ママー、見て!お花たちがgrowingしてるよ。」
見ると、デイケアの花壇に植えられているチューリップの芽が、土から顔をのぞかせ、ぐんと背筋を伸ばしていました。
「すごいねー。よかったねー。」
と次男。
よく見ると、周りの木々も蕾を膨らませ、春の訪れを知らせてくれていました。
彼が教えてくれなかったら、足早に通り過ぎるところでした。
また、別の日の夕方、学校に長男(9歳)と長女(7歳)を迎えに行った時の事。
辺りはかなり暗くなっており、空には三日月が上がっていました。
「ママー、見て!私の大好きなsmiling moonだよ!」
と、長女が空を指しました。
「え?あれはcrescentってゆーんじゃないの?」
と尋ねると、
「でも、お月様が私達に向かってsmileしているみたいでしょ。だからsmiling moonって名前にしたの。」
との事。
そう言われて改めて空を眺めると、確かに三日月がこちらに向かって笑いかけているように見えてきます。
「smileしてくれてありがとう。」
と、長女は月に向かって話しかけていました。
普段と変わらぬように思える日常の中、ちょっとした変化や小さな幸せがちりばめられているけれども、
日々の雑務に忙殺される人は、気づかず通り過ぎる。
同じ景色の中を歩きながら、子供達はそれらをひとつひとつ丁寧に拾って、私に教えてくれる……そんな気がしました。
……感謝。