ある日、小学校の遠足でお弁当が必要となった長女(小6)と次男(小3)。
その前日、私が食器を洗っていると、次男が声をかけました。
「お母さん、明日のお弁当、忘れんといてや!」
言い方で印象が変わる「頼み事」
彼は笑顔で、特に悪気もなく言ったつもりだったと思いますが、私には少しひっかかりました。
というのも、その少し前に、長女がやってきて
「お母さん、いつも忙しいのにごめんね。明日お弁当があるから、お願いね。楽しみにしてるね。」
と言っていたからです。
―― いやー、同じことを頼むのに、こんなにも印象が違うもんだなー。
私は改めて言葉の選び方について考え、次男と話しました。
「いつも綺麗に使っていただき、ありがとうございます」
少し前から、コンビニや公共施設のトイレには、
いつも綺麗に使っていただき、ありがとうございます。
と書かれた張り紙を多く見かけるようになりました。
佐々木圭一氏の著書「伝え方が9割」にも書かれていますが、このようになにかを要求・依頼するときに、感謝の言葉を主体とした伝え方にすることで、相手が「綺麗に使おう」と思わせる効果があると言われています。
一方で、私の職場のトイレには、このような張り紙が貼ってあります。
トイレは綺麗に使ってください。マナーの悪さにいつも迷惑しています。
―― こんな書き方じゃ、だめなんだよなー。
私はこの張り紙を見るたびに、ちょっと気持ちが下がります。
別にマナー悪く使おうとは思っていませんが、使う前から自分が責められているような気になって、気分が悪いのです。
改めて、「忘れんといてや!」について考える
トイレでの一幕について話しながら、私と次男は改めて「忘れんといてや!」という言い方について考えました。
人になにかをしてもらうときに、「忘れんといてや!」と、人に注意をするような言い方をすると、頼まれた方は依頼を受ける前から責められているような気持ちになり、その依頼を気持ちよく受けにくくなります。
「親しき仲にも礼儀あり」といいますが、どんなに親しい間柄でも、どのような頼み方をすれば相手が気分良く引き受けてくれるかを考えて、言葉を選ぶ必要があります。
それは、相手のためでもありますが、「相手に自分の要求が通るか通らないか」ということにも繋がり、最終的には自分のためでもあるわけです。