先日、私達の住む自治会の運動会がありました。
小学校の「スポーツフェスティバル」とは違い、20弱の町内会が火花を散らす、「ガチ」の運動会です。
町内会メンバーが一同に会する大運動会
午前9時、近所にある高校のグラウンドで、運動会が開催されました。
この自治会には、19の町内会があり、それぞれの町内会でテントを張り、ゼッケンをつけて競い合います。
最初は開会式。
会長の宣言があり、「君が代」の歌と共に、国旗と自治会の旗が掲揚されました。
その後、ラジオ体操で準備運動を行い、競技がスタートします。
100m走、200m走、5km走、リレー、玉入れ、パン食い競争、綱引き⋯⋯
各競技ごとに、先着順で景品が配られ、点数がつけられます。
各町内会の点数は、目立つ場所に掲示され、1-3位には豪華景品が⋯⋯皆のやる気に火をつけます。
本気で走ってみた
景品云々というより、もともと走って競争することが大好きな私。
100m走、200m走、女子リレー、男女混合リレー⋯⋯と、とにかく走る競技に参加しました。
私は毎朝の通勤で、いつもギリギリで電車に乗り込むため、図らずも毎朝1kmほど全力に近いスピードで走っていることになります⋯⋯が、本気の短距離走は数年ぶりです。
―― 肉離れしそう・・・。
とは思いながらも、折角の機会を無駄にしないよう、すべて全力で臨みました。
100m走は大丈夫でしたが、200m走はさすがに最後まで走るのはかなりキツイ。
―― 大学の運動会では200m走も余裕で走れたけどなー。
⋯⋯月日の流れと体の衰えを感じました。
それでもリレーは決勝進出
男女混合リレーは、私達が住むマンション内のメンバーで参加しました。
みんな、10年前に当マンションが建設されたときに新築で購入したメンバー。
当時は若夫婦だった私達も、今では小中学生のお母さん、お父さんになっています。
「明日は筋肉痛ですね。」
という会話を繰り返しつつ、みんな全力で走りました。
目立ちたがりの私は第一走者。2位でバトンをつなぎました。
その後、上の階のお父さんが驚異的な走りをみせ、なんと1位で予選通過。
最後に行われる決勝に駒を進めました。
決勝は中高生と本気レース
そして午後。
「男女混合リレーの決勝に参加される方は、受付まで集合してください。」
会場にアナウンスがあり、私達リレーメンバーは、痛む足腰をさすりながら、受付に向かいました。
そして、受付に集まったメンバーをみて、私は思わず声を上げました。
「わ、若い⋯⋯。」
私達以外は、すべて中高生の学生たち。
下手すりゃ産めてたかも⋯⋯という年齢差です。
しかも、全員、脹脛が引き締まっていて⋯⋯おそらく、みんな何らかの運動部に属しているのでしょう。
「このなかで走るの!?どーしよー!!」
私達中年組は、かなり怖気づいて、ざわざわと話し始めました。
すると、それに気づいた隣のレーンの女の子(高校1年生)から声をかけられました。
「いえいえ、あなたの走りも見ていたけど、すごかったですよ。正直、脅威です。」
余裕の高校生
褒められた⋯⋯のでしょうが、その言葉からは、
「おそらく私の方が勝つだろうけど、あなたも良い線いくと思いますよ。」
というニュアンスを感じました。
―― おー、やっぱり高校生は自信があるんだなー。
実は私の方は、怖気づきながらも、「でもまあ、走りだしたら案外いい勝負ができるかも。」くらいに考えていたのですが、
彼女の一言を聞いて、
―― やっぱり、自分ではあまり見えてなかったけど、若い人から見たら、年齢による衰えは明白なんだろうな。
と思いました。
そして決勝戦がスタート
決勝戦は4組で勝負します。
私はもちろん第一走者。先程「脅威です」と言った女子高生の隣のレーンです。
「位置について、よーい⋯⋯」
バン!というピストルの合図とともに、私は地面を蹴りました。
外側のトラックにいる彼女を、第1コーナーで追い詰めます。
けれどもコーナーを回って直線に入ると、もう彼女に追いつくことはできませんでした。
私は、彼女の背中を見ながら、1-2m程遅れて、第二走者にバトンを渡しました。
いい走りだった⋯⋯とは言われたけれど
その後、私達中年組は、第二走者、第三走者とどんどん離されていき、最終的に最下位でゴールしました。
参加賞を受け取って自分たちのテントに戻ると、同じマンションの人たちから、
「すごいすごい!あんな中高生たちと互角に戦えるなんて!みんなホントすごかったですよ!」
と声をかけられました。
確かに、普通に考えたらそのとおりなんでしょうが⋯⋯
―― ホントは本気で勝つつもりで走ったんですけど、ね。
と思いながら、
―― そう言っちゃおうか⋯⋯でも流石にそんなこと言ったらひかれちゃうかな⋯⋯
と、私はしばらく心の中で葛藤していました。