CHOP Center for Management of ADHD

待ちに待った、小児精神科受診の日。

長男は学校を早退し、私と夫とともにクリニックを受診しました。

 

先生の診察

先生は、優しそうな男の先生でした。

今回の受診に至るまでの経緯を私達から聞いた後、先生は息子に向かって尋ねました。

先生「君はどう思っている?学校の授業に集中できない?」

長男「はい。」

先生「どうして集中できないの?」

長男「わからないけど、だいたい頭の中に歌が流れていて……そのせいかなと思っています。」

 

先生は、アメリカでのギフテッド・チルドレンの審査内容にも詳しく目を通し、私達3人に向かって言いました。

先生「確かに、ADHDの不注意優勢型、いわゆるADDがありそうですね。」

WISCの結果の解釈

先生は、ギフテッドの審査項目の中の、WISC(IQテスト)の結果の解釈について説明してくれました。

先生「このWISCの結果では、Visual Spatial Index知覚推理能力)が144、Working Memory Index(作業記憶)が122とハイスコアなのに対して、Verbal Comprehension Index(言語理解)が100となっていますね。」

「はい。でもこの時は、『彼の英語が母国語でないからでしょう』と言われ、Nonverbal Indexで評価してもらったと記憶しています。ただ、この時にはすでに英語を流暢に話していたので、英語の質問が理解できなかったとは考えにくかったのですが……。」

私が答えると、先生は続けて言いました。

先生「もしかしたら、彼の言語理解はもともとこれくらいのスコアだったのかもしれません。100というのは『平均』、ということですけれども、他の能力が高い場合、相対的に低い項目がネックになって、学習が苦手になることがあります。」

全体のIQは135なので、このレベルのIQスコアであれば、普通、学校の成績はかなり良くなるはずですが、その割に実際の成績が悪いので、学習障害が邪魔をしている可能性があるように思います。」

 

先生の話を聞いて、私は思い当たる出来事について話しました。

「彼は、本を読むのが好きで、これまでにたくさんの英語の本を読んできたんですけど、『どんなお話なの?』と尋ねても、内容を全くサマライズできずに、最後は『とにかく面白いから読んでみて』としか言えなかったんです。それ以外にも、とにかく説明するのが苦手で、気になっていたのですが。」

先生は、私の話を聞いて、うなずきました。

「それは、言語理解能力のスコアが他のスコアと比べて相対的に低いために、自分の考えをうまくアウトプットできなかったからかもしれませんね。」

検査予約をして帰宅

今回の診察後、改めて日本語版のWISCやバウムテストなどの検査を行い、その結果をもとに、最終的に長男の診断をつける事になりました。

またADHDは自閉症スペクトラム障害(ASD)と併存することが多いため、その検査も行うことになりました。

 



 

アメリカでは、学校や病院に相談してもなかなか認められなかった、長男のADD気質。

今回、帰国後にはじめて受診した小児精神科で、その診断がつき、次のステップに進めるかもしれません。

 

私達は「諦めずに、受診してよかったね。」と話しながら、クリニックをあとにしました。

 

 

To be continued…

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