CHOP Center for Management of ADHD

Continued from last time……

長男(中2)にADHDの診断がつき、学校へ報告とサポートの相談をしにいった日。

一通りお話した後で、先生は言いました。

「それにしても、よく受診を決意しましたね。」

こういう子、よくいるよね

先生方からすると、長男のように「勉強はせず、提出物は滞り、学校の授業よりも友達との遊びを優先する」……といった感じの 生徒は時々見かけますが、「こういう子も、よくいるよね。」と思いながら日々接しているそうです。

 

これは、私達両親がたまたま脳の機能やその障害について考える仕事をしてきたことや、彼と共に生活・成長する妹弟が比較対象になったことで、彼の特性を認識しやすかったから、と言えるかもしれません。

うまくいかないことも多い

先生は言いました。

「これまでの教師生活の中にも、何らかの障害を疑うような生徒は、一定数いました。けれどもこれはセンシティブな問題なので、通常こちらから積極的に働きかけたり、受診を勧めたりすることはありません。

また、親御さんの方で気づいてなんとかしようとしても、子どもの方が受け止めてくれないと次のアクションに進めないですし。特に中学生は多感な時期なので、うまくいかないことも多いと思います。」

 

私は、

「それは本当に、彼の性格に感謝しています。」

と答えました。

息子の性格に感謝

ADHDには大きな3つの特性があります。

  • 不注意
  • 多動性
  • 衝動性

長男の場合は、この中で、1)「不注意」が特に強く、2)「衝動性」は軽度、3)「多動性」はほとんど見られない、という特性になります。

多動性や衝動性が強いと、周囲が迷惑と感じるような行動をとったり、他人を不必要に攻撃したりしてしまいます……が、息子にはそれがありません。彼は穏やかな性格で、人を傷つけないような物言いをします。

 

ADHDの子は「大きな目標に向かってやる気を起こす」ことが難しく、「ADHDはモチベーション障害である」と断言する専門家もいます。また彼らの考え方はとても近視眼的で、少し先のことや将来のことがそもそも考えられないため、「目先の快楽で行動してしまう」という特性もあります。

このような特性は、周囲の大人からは「怠け者」のように映ることも多く、本人ができないだけなのに叱られたり、根性論や精神論を強要されたりする機会が多くなりがちです。

長男もこの特性を強く持っているので、彼がこれまで生きてきた14年間、私達両親や学校の先生達から注意される回数は、彼の妹や弟と比べて圧倒的に多かったと思います。

 

普通、何度も叱られたら、自己肯定感が下がったり、へそを曲げたり、反抗してしまったりすることも多いと思います。

けれども彼はそのようにはならず、「えへへ」と笑って場を和ませたり、「ごめんなさい。」と素直に謝ったり、「ありがとう。」と感謝の言葉を口にしたりしていました。

 

このような対応を素でできる子どもは、健常児でもそんなに多くはないと思います。

彼は、何度叱られても、不貞腐れたり他人を責めたりすることなく、私達両親を慕ってくれました。そして、今回も抵抗なく種々の検査を受け、診断を受け入れてくれました。

神が彼に与えてくれたギフトは、IQやEQのような数値で表せるものではなく、このように素直で思いやりがある、彼の性格の方ではないか、と思う毎日です。

準備は整ったよう

先生との話し合いは1時間程で終了し、私は時間を作ってくれた先生に、丁寧にお礼を言って、学校を後にしました。

―― 学校のサポートは大丈夫そう。

 

準備は整いました。これから、薬剤開始の書類手続きを進めていきます。

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