「え、何の約束をしているの?」
先生が尋ねてきたので、息子は仕方なく答えました。
「今度の期末テストでもテスト勉強できなかったらスマホがなくなるんです。」
スマホクラッシュ協定
スマホ問題は、我が家では今に始まったことではなく、
チート → 協議 → 制限 → チート → 協議 → 制限 →チート……
と彼は尽く約束を破り、ペアレンタルコントロールの規制の目をかいくぐってスマホゲームや動画鑑賞などに勤しみ……そしてその度に家族会議が開かれていました。
それと反比例するように、試験の成績は右肩下がり。
試験前にもスマホ断ちできず、親が預かっていてもいつのまにか彼の手元にスマホが戻っている、という状況になっていました。
彼の態度を見る限り、本人に悪気はなさそうなのですが……兎にも角にも自分に弱く、目の前の誘惑を断ち切る事ができない……といった感じ。
見かねた夫が、先日とうとう
「次の期末テストで結果を出せなかったら、目の前でスマホをクラッシュして金属会社に売る。」
と宣言しました。
本当は、このまま学校にスマホを預かってもらいたい
「ご家庭でも、スマホは問題になってたんですか。」
先生は尋ねました。
「まあ……正直、『このままずっと学校にスマホを預かっていてもらえたら、どんなに楽か』と思っています。」
私が答えると、先生は苦笑しながら、息子に視線を向けました。