神は乗り越えられる試練しか与えない……とはいうけれど。(1)
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先日、ラボの一人が製薬会社にポストを得て異動する事が決まりました。 彼はアメリカ人なのですが、なんというか、典型的な “デキる” タイプの方のアメリカ人だったので、 建設的な話し方や人々への配慮の仕方など、私はこっそり参考にしていました。 そんな彼が出ていくと聞き、私はずっと彼に聞いてみたかった事を、聞くべきかどうか迷っていました。 それは、 彼から見た私の伸 […]
ちょっと前の話になりますが、隣の席の韓国人の同僚が、祖国でポジションを得て、急遽帰国することになりました。 彼は私達夫婦と同じ脳神経内科医で、韓国で患者さんを診ながら臨床研究でたくさん業績を出していたのですが、 「一度は基礎の研究にも触れてみたい」という事で、 2年ほど前、COVID-19の始まったちょうどその頃に、奥さんと1歳のお子さんを連れて韓国からやってきました。 彼は物腰がと […]
先日、今年の9月いっぱいまで今のラボでの雇用を延長してもらう事が決まり、秘書さんがそのための手続きを進めてくれました。 彼女の説明によると、ポスドクは1年契約しかできないので、一度来年度までの1年雇用延長の手続きを行った後に9月いっぱいで辞任、という形を取る必要があり、 その旨を記載した辞表をPIにメールで提出しなければならないそうです。 辞表の内容は秘書さんがテンプレートを送ってく […]
ある日の朝、ラボのグループメールに衝撃のお知らせが飛び込んできました。 動物施設のRoom46でウイルス感染が確認され、この部屋のマウス達は全て隔離されます。 ラボは騒然としました。 ラボ内のマウス達の半分以上はRoom46で管理しています。 みんな手術等も続々予定していたのですが、全てキャンセルとなりました。 数日後、動物施設のスタッフとラボメンバー達とでミーティング […]
以前、このブログに書いた事がありますが、私には職場に苦手な人がいました。 どれくらい苦手かというと、部屋のドアを開ける時「中に彼女がいるかも」と思うだけで、心拍数が上がり、冷や汗が出るくらい。 ただ、彼女がとても性格が悪く意地悪なのかというと、そうではありません。 彼女はラボの古株ともいえるような人物の一人で、日本だととっくに定年を迎えている年齢になっても、ここで働き続 […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 Co-PIが亡くなってから、ラボは悲しみに包まれ、皆は仕事をしながらも、彼との思い出を話したりして過ごしていました。 そんなある日、ラボのスタッフの一人からアナウンスメールが届きました。 今週は […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 Co-PIが亡くなった次の週から、PIがミーティングに出席するという連絡がありました。 そして次週、朝から全体ミーティングがあり、みんなは少し緊張して待っていました。 開始時間が来たので、「そろ […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 Co-PI逝去の連絡を受けた日、私はラボを休み、一日自宅で過ごしました。 翌朝も ―― しばらくは何もする気になれなさそうだなー。 と思ってぼんやりしていましたが、ふと、術後7日目のマウスのサク […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 なお、遺族より紹介された追悼記事で、本記事に関連する事柄が記載されているリンクの1つをこちらに貼っておきます。 PIと夫と3人でミーティングが行われてから数日が経過し、私は相変わらず限られた時間 […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 以前、PIと夫と私の3人で久しぶりにミーティングを行った話を投稿しましたが、 この話には別の背景がありました。 当時は内輪の出来事を勝手に外に発信してはいけないと思って控えていましたが、その後奥 […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 Co-PIが病院で治療を受け、リハ転院なども検討されていた矢先、彼が感染症を併発し、容態が芳しくないという連絡を受けました。 ラボの人たちは、毎日彼の容態を心配し、少しでも情報があればお互い共有 […]
断書 本記事は、少し前、私の身近な人が他界する前後に書き溜めていたものです。 遺族の許可を得て投稿しておりますが、ここに書かれていることはすべて私の主観を元に書かれている点をご了承ください。 Co-PIが事故で緊急入院した日の翌週、私と夫は、彼の奥さんであるPIとミーティングの予定が入っていました。 手術は無事に終了したと聞いていましたが、彼の容態はどんな様子なのか、私達は心配しなが […]
先日、PIと私と夫、3人でミーティングがありました。 最近、PIとCo-PIが共にラボに来られず、グループミーティングなどにも出席できずにいたので、私達のプロジェクトの進行状況の確認と、今後のキャリアプランなどについて話したいと、忙しい時間を縫ってPIがミーティングを設定してくれました。 私達は、現在の大変な状況下でわざわざラボに来てくれるPIに感謝し、10分前から部屋に入って彼女が来るのを待ちま […]
先日、現在のラボで始めた仕事の原著論文を出すことができました。 個人的にとても勉強になる仕事だったので、多くの人々に読んでいただき、意見をもらいたいと思っています。 ……と、思いながら最後の Proof を行っていた時の話。 ・ ・ ・ 最終チェック中に、ジャーナル側から 「オープンアクセス(OA)にしますか?」 という質問がありました。 私 […]
先日、Co-PI の Institute of Aging (IOA) ディレクターの離任式がありました。 彼は1991年から約20年間 NIA のディレクターを努めていましたが、今年離任を決めたようです。 私達がラボに来る1年前、初めて彼と会って話をしたとき、 「僕もPIももう70歳になるけど、それでもいい?勿論、僕たちは死ぬまで元気に働くつもりだけどね!」 と、高らかに笑いながら […]
去年、かなり切ない想いで書き上げた総論…… この度、この論文が雑誌の Top5 cited article になったと連絡を受けました。 一生懸命書いたので、多くの人達に読んでもらい引用して頂いた、という連絡はとても嬉しいです。 その時その時は辛くても、振り返るとほとんどの出来事が自分の成長の糧となる貴重な経験だったように感じられます。 これからも周りの人々への感謝の心 […]
うちのラボでは、毎年秋頃になると、IOA (Institute of Aging) の fund raging event の一つとして、“5K(5kmマラソン)” があります。 参加登録すると、ゼッケンとユニフォームの他、スナック、ハンドサニタイザー、商品券 etc. 色々なグッズがもらえて、 当日は各年齢層毎に表彰があり、メダルと商品が手渡されます。 みんな上位入賞を目 […]
ラボの予算が大きく減って、いつ首を切られるか……と、みんなちょっぴりビクビクしている今日このごろ…… 同僚の一人がグラントをとったらしい、という噂が流れてきました。 ポスドクはだいたいグラントに応募しているので、その話を聞いたときはそこまで気に留めていませんでした。 ある日、彼女から実験のことで相談されることがあり、雑談の一つとして 「そういえば、最近グラントを獲ったって聞いたよ。お […]
先日、ラボ内外の人達の前で、セミナーで1時間話す機会をいただきました。 このセミナーで話すのは、渡米直後に日本での研究内容について話して以来、約3年ぶりになります。 今回は、現在リバイス中の研究内容について話しました。 たかがセミナー……なのですが、私はプレゼンに対して人一倍思い入れがあるように思います。 これは私の個人的見解ですが、みんなの貴重な時間をそれぞれ1時間ずつもらうわけな […]
最近、時間に追われて色々滞ってきたので、ちょっとした近況報告を。 何か特別なことで忙しい、というわけではなく…… フェローシップ等の書き物系が重なっていて、 さらにこのタイミングで論文のリバイスも返ってきて、 共同研究先に実験結果を出す期限も迫ってきている、 ……という普通の理由です。 ただ、「帰国前に一度自分で考えた研究がしたい」と思って提案した企画は、 […]
アメリカにきてしばらくたった頃、同僚とディスカッションをしていて、近似値を表すために 「≒」 の記号を書いたところ、 「なにこれ?」 と言われました。 「え、これはイコールじゃないけどイコールに近いってゆー意味で……」 と、戸惑いながら説明すると、 「こんな記号は初めてみた。」 とのこと。 じゃあ、アメリカ人はどんな記号を使っているかというと、 「≈」 らしいです。 & […]
以前、「ラボをやめる」といきなり宣言した同僚の、勤務日最終日のお話。 「今日は私の最後の日だから、みんなでコーヒーでも飲みにいかない?」 と誘われました。 10人くらいのメンバーで院内のスタバに向かい、外のテーブルで小一時間ほど語り合いました。 改めてラボをやめる理由と今後の方針について彼女にきいてみると、 「私はもう実験はしないわ。医療関係の記事を書く仕事をする予定。 […]
先日、PI と Co-PI と私で話す機会があり、「この機会に!」と思って、 ここまでラボを大きくできた秘訣 について、二人に聞いてみました。 ちょっとごちゃごちゃしますが、前半は Co-PI と2人で話した内容で、途中から PI も参加してきたので、後半は PI の話となります。 ラボのバックグラウンド このラボのバックグラウンドを少し紹介すると、 PI は PhD、Co-PI は MD-PhD […]
私の所属する大学の必須トレーニングの一つに、Responsible Conduct of Research (RCR) についてのトレーニングがあります。 CITIという機関のRCRプログラムを受け、合格すると証書が与えられます。 今回のテーマは、「共同研究(Collaboration)」です。 共同研究の重要性が高まっている ここ数十年で、共同研究の数が指数関数的に増えています。 研究内容が複雑 […]
最近、同じラボで別グループのポスドクと、同じ部屋で実験する機会があり、時々話をしていました。 そして、先日、彼女から突然聞かれました。 「このラボで何年くらい働いているの?」 突然の質問に驚きましたが、 「えっと、もうすぐ3年かな。」 と答えました。 すると彼女は、 「すごいね。私、このラボで何年も働いているポスドクを尊敬するわ。 私はここにきてまだ8ヶ月だけど、あと2 […]
私の所属する大学の必須トレーニングの一つに、Responsible Conduct of Research (RCR) についてのトレーニングがあります。 CITIという機関のRCRプログラムを受け、合格すると証書が与えられます。 今回のテーマは、「利益相反(Conflicts of Interest, COI)」です。 私がCOIという言葉を知った頃の話 私が研修医の頃、COIという言葉は知りま […]
英語による「戦略的スピーキング」のワークショップ第5回目。 この日は、ワークショップの集大成。 各自8分間のプレゼンと3分間の質疑応答枠を与えられ、それぞれの研究内容を発表しました。 私は、これから始める新しいプロジェクトについて発表しました。 ワークショップでの指導、1時間の個人指導を経て、 私のプレゼン内容は、1回目に作った時よりも格段に良くなったという手応えがあり […]
今ラボでは、大きなグラントが無くなって、長年働いていた職員が次々と辞めていっています。 そして先日、私の研究のアシスタントをしてくれていたテクニシャンのお別れパーティーがありました。 彼女は、このラボに15年働いていました。 リストラを宣告されてから、彼女は自分で職を探し、近くの製薬会社への転職が決まりました。 PI達の対応はかなり冷たいものでしたが、彼女の友達は今までの彼女の功績を […]
私の所属する大学の必須トレーニングの一つに、Responsible Conduct of Research (RCR) についてのトレーニングがあります。 CITIという機関のRCRプログラムを受け、合格すると証書が与えられます。 今回のテーマは、「Mentoring(メンタリング)」です。 メンタリングとは 「メンタリング」と聞いて、「なにそれ、メンタリスト関連?」と思い浮かべた人がいたら……そ […]
英語による「戦略的スピーキング」のワークショップ第4回目。 第4回目のテーマは、 Handling Q&A and Managing Miscommunicationです。 先生が「もっとも難しいパート」と仰っていましたが、私にとっても大の苦手とするところです…… 聴衆に誤解を生じさせていないかどうか気を配る 「誤解」は、他人との会話、特にトピックが複雑で説明を要する場合において、普通に起 […]
英語による「戦略的スピーキング」のワークショップ第4回目……の数日前に講師の先生から直接受けたプレゼンテーション指導、のまとめ。 事前に作成した8分間のスライドを元に、先生からプレゼンテーションの内容や聞き取りにくい発音etc.について、個別に指導していただきました。 発音トレーニング まずは、私の発音について。 今回、プレゼンテーションを録画してわかったことは、 「自分ではもうちょっとネイティブ […]
英語による「戦略的スピーキング」のワークショップ第3回目。 このワークショップには、私の他、日本、中国、韓国、ヨーロッパ圏 etc. それぞれ英語を母国語としない国から渡米してきた研究者達が参加しています。 第3回目のテーマは、 Clear Pronunciation & Describing Data です。 どうやって自分のサイエンスをストーリー仕立てにするか このワーク […]
英語による「戦略的スピーキング」のワークショップ第2回目。 このワークショップには、私の他、日本、中国、韓国、ヨーロッパ圏 etc. それぞれ英語を母国語としない国から渡米してきた研究者達が参加しています。 第2回目のテーマは、 Telling your Science Story: Framework, Hooks, and Analogies です。 (ウォームアップ)文節のアク […]
その日は突然やってきました。 ある日のミーティングでPIから短いアナウンスがありました。 「もうすぐ、大きなグラントが1つ終わる。更新はしていない。ラボの予算は大幅に減る。多くの人は雇えないから。」 PIもCo-PIも70代半ばで、今後どこまで仕事を継続できるかわからないので、ラボを縮小していくとのこと。 日本では63歳くらいで定年を迎えるので、70歳を過ぎても元気に働 […]
英語による「戦略的スピーキング」のワークショップ第1回目を受けました。 このワークショップには、私の他、日本、中国、韓国、ヨーロッパ圏 etc. それぞれ英語を母国語としない国から渡米してきた研究者達が参加していました。 第1回目のテーマは、 Small Talk, Networking, and Basics of Communicating your Science です。 Na […]